中医学研究
研究成果物
経穴効能検索システム(腧穴功能検索系統)
全身の腧穴407穴の効能を検索可能。オンライン(無償)で公開しています。
『基于現代鍼灸文献中腧穴功能的初歩研究(現代鍼灸文献に基づく経穴効能の初歩研究)』(天津中医薬大学修士論文研究)の一部として作成した経穴の効能を検索するサイトです。
現代鍼灸文献に基づく経穴効能の初歩研究 要旨(和訳)
目的
- 腧穴(経穴)の功能は、腧穴作用と主治の高度な概括である。目下、国家統一基準は存在しない。そこで、現代著作から腧穴功能の記載をまとめ、教学の基準となり、臨床指導の役割を果たす普遍的な表現を探索する。
方法
- 現代37部の著作における、十四経穴および一部の経外奇穴、計407穴の効能に関する記載を検索し、文献資料をデータベース化する。各腧穴功能の記載頻度を集計し、407穴の功能・十四経の功能および腧穴の常用功能を確定する。あわせてHTML方式のデータベースを制作する。
結果
- 各腧穴の功能記載集計・十四経の功能記載集計・腧穴の主な功能記載集計が得られた。また、HTML方式のデータベースを用い腧穴効能を総括した。
結論
- 最後に、功能記載の出現頻度から集計結果を並べ替え、各腧穴5つの常用功能・各経絡10の常用功能・各主要功能10の常用腧穴を得た。
学習教育ツール 「用語から学ぶ中医基礎理論」
中医学の初学者が最初に躓くのが専門用語の難解さ。テキスト中の専門用語にハイパーリンクを張り、すぐに定義を理解できるよう工夫をこらしたツールです。
東京衛生学園専門学校臨床教育専攻科卒業論文研究『中医学用語の研究 「用語から学ぶ中医基礎理論」の作成を通じて』の一部として制作した、中医基礎理論をHTMLを利用して学習するサイトです。内容は「精気血津液」のみです。
中医学用語の研究 「用語から学ぶ中医基礎理論」の作成を通じて 要旨
東洋医学教育において近年広がりを見せる中医学であるが初学者が中医学用語を学ぶ際に日本語ベースの教材・訳本はまだまだ少ない。そこで今回われわれは中医学教材『中医基礎理論』を底本に中医学用語の定義付けを行い、さらに理解を深めるために用語解説を作成した。これを電子テキスト形式にすることにより多元的な構成を提案し、用語理解と中医学基礎理論学習の一助となるツールの作成を試みた。
活動内容
学会発表・講演
- 中医学における穴性と経穴効能.第1回経絡経穴研究会,日本経絡経穴研究会,東京,2013.10.20
- 穴性問題についての補足発言.第4回日本中医学会学術総会シンポジウム,日本中医学会,東京,2014.9.14
- 中医学と四診の概要.平成26年度保険薬局部会研修会,沖縄県薬剤師会,沖縄,2014.12.9
- 日本版穴性(穴位効能)作成の穴性案と方法案.第5回日本中医学会学術総会シンポジウム,日本中医学会,東京,2014.9.12
- 中医学の立場で経穴をどのように理解し臨床でどのように応用するか.第3回経絡経穴研究会,日本経絡経穴研究会,東京,2015.10.11
- 中国現代鍼灸文献における復溜・照海の効能比較.第25回全日本鍼灸学会九州学術集会, 全日本鍼灸学会九州支部,熊本,2016.10.30
- 第7回日本中医学会学術総会シンポジウム「穴位効能の意義と標準化」座長,日本中医学会,熊本,2017.9.17
- 穴位効能の標準作成にむけて.第7回日本中医学会学術総会シンポジウム,日本中医学会,熊本,2017.9.17
- 日中経絡腧穴教科書の比較研究.第5回経絡経穴研究会,日本経絡経穴研究会,東京,2017.11.19
- 中医薬大学教材における妊婦慎用・禁鍼穴の調査.第9回日本中医学会学術総会,日本中医学会,東京,2019.10.6
- 論文を読んでみよう!.鍼灸師のための妊婦ケア講座2019,福岡周産期鍼灸部会,福岡,2019.10.20
- 中国におけるCOVID-19に対する中医学・鍼灸の取り組み . 第15回社会鍼灸学研究会 ,社会鍼灸学研究会,リモート,2020.9.21
- 妊婦慎用・禁鍼穴の調査-肩井穴.第10回日本中医学会学術総会,日本中医学会,東京,2020.11.22
- 妊婦慎用・禁鍼穴の調査-崑崙(BL60).第70回全日本鍼灸学会学術大会,全日本鍼灸学会,福岡,2021.6.4
- 不眠症の匙倶楽部処方とツボの活用.第1回中医学理論に基づく匙倶楽部処方とツボの活用,小太郎漢方製薬株式会社,オンライン,2021.6.9
- 中医学理論に基づくうつ病の針薬併用治療.関西中医鍼灸研究会,大阪,2021.10.16
- 便秘の匙倶楽部処方とツボの活用.第2回中医学理論に基づく匙倶楽部処方とツボの活用,小太郎漢方製薬株式会社,オンライン,2021.11.10
- 中国における中医学と中医学教育の現状-中医学教育を修了した鍼灸師の視点から-.日本東洋医学会沖縄県部会,沖縄,2022.2.6
- 生理痛の匙倶楽部処方とツボの活用.第3回中医学理論に基づく匙倶楽部処方とツボの活用,小太郎漢方製薬株式会社,オンライン,2022.5.19
雑誌掲載
- 中国における中医薬標準化の現状.中医臨床,2011,32(4):84-87
- 中国における鍼灸領域の国家標準.医道の日本,2012,71(3):161-165
- 中国現代鍼灸文献における経穴効能表記の研究(第1報).医道の日本,2012,71(6):98-103
- 中国現代鍼灸文献における経穴効能表記の研究(第2報).医道の日本,2012,71(7):169-175
- 中国現代鍼灸文献における経穴効能表記の研究(第3報).医道の日本,2012,71(8):111-116
- 中国現代鍼灸文献における経穴効能表記の研究(第4報).医道の日本,2012,71(9):153-158
- 中国現代鍼灸文献における経穴効能表記の研究(第5報).医道の日本,2012,71(10):187-197
- 日本针灸标准研制现状及其对一些问题的思考. 中国针灸, 2012, 32(10): 925-927
- 経穴効能に関する考察. 中医臨床, 2013, 34(1): 151-154
- 中医学における穴性と経穴効能-その意義と課題-. 第1回経絡経穴研究会記録集, 2014, 49-59
- エビデンスにもとづく足三里・支溝穴の効能〈前篇〉. 中医臨床,2014,35(4):130-135
- エビデンスにもとづく足三里・支溝穴の効能〈後篇〉. 中医臨床,2015,36(1):134-139
- 第39回代田賞奨励賞 受賞論文 エビデンスに基づく足三里・支溝穴の効能.医道の日本,2015,74(10):146-147
- 座談会Ⅲ ISO/TC249 第6回全体会議を終えて. 鍼灸OSAKA,2015,31(2):93-112
- 日本版穴位効能作成の穴位効能案と方法案.日本中医学会雑誌,2016,6(1):22-32
- 中医学の立場で経穴をどのように理解し臨床でどのように応用するか.第3回経絡経穴研究会記録集,2016,11-15
- 日中経絡腧穴教科書の比較研究.第5回経絡経穴研究会記録集,2018
- A summary of acupuncture standardization in Australia,Korea,Japan and the USA.World Journal of Acupuncture-Moxibustion,2018,27(4):20-26
- 針灸処方学 第1回 対証処方①解表方. 中医臨床,2020,41(1):134-140
- 針灸処方学 第2回 対証処方②清熱方. 中医臨床,2020,41(2):118-124
- 針灸処方学 第3回 対証処方③理気方. 中医臨床,2020,41(3):130-137
- 針灸処方学 第4回 対証処方④補益方. 中医臨床,2020,41(4):120-128
- 針灸処方学 第5回 対証処方⑤消導方. 中医臨床,2021,42(1):131-135
- 針灸処方学 第6回 対証処方⑥熄風方. 中医臨床,2021,42(2):136-139
- 針灸処方学 第7回 対位処方①頭部・顔面部・五官病証処方. 中医臨床,2021,42(3):124-129
- 針灸処方学 第8回 対位処方②鼻・耳病証処方. 中医臨床,2021,42(4):132-136
- 針灸処方学 第9回 対症処方 固表止汗方・梅核気方. 中医臨床,2022,43(1):127-131
- 中国におけるCOVID-19に対する中医学・鍼灸の取り組み.社会鍼灸学研究,2020,30-35
- 中国針灸学会 新型コロナウイルス感染症への針灸介入に関する手引き(第二版).伝統鍼灸,2020,47(1):245-248
執筆・翻訳活動
執筆活動
- 共著:『新版 東洋医学臨床論(はりきゅう編)』(2022)南江堂;28頁分の執筆を担当
- 単著:『針灸処方学(仮)』:2023年 東洋学術出版社より出版予定
- 連載:「針灸処方学」:『中医臨床』2020.3より連載中
翻訳活動
- 共訳:『中医針灸 針灸処方学(原題「祖伝鍼灸常用処方」)』(2021)東洋学術出版社;全体の34%(約30万字)分を担当
- 「朱南孫の多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)治療」中医臨床,2019,40(2)
- 「肖承宗の多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)治療」中医臨床,2019,40(2)
- 「謝強の慢性咽頭炎治療」中医臨床,2019,40(3)
- 「慢性喉頭炎(当代名老中医典型医案)」中医臨床,2019,40(3)
- 「不同貯蔵年分的艾条燃焼生成自由基的ESR波譜研究」
- 中国針灸学会「新型冠状肺炎針灸干预的指導意見(第二版)」
ほか、論文翻訳多数